ゴールド・リーフ・シティー
〜ズールー族との出会い〜
 ヨハネスブルグから南に約6Kmに位置する、ゴールド・リーフ・シティーに行った。金の採掘場跡地に建てられたテーマパークで、観光名所となっている。もともとここは、世界でも最大の金の埋蔵量を誇る金鉱だったそうだ。まったく光の差し込まない地下に降りると、当時の採掘現場になっている。光はない、粉塵は舞い、密閉された空間。想像しただけで生きた心地がしない。夢を求めてきた人や、労働を強いられて無理やり連れてこられた人達。色々な思いが詰まった地下のトンネル。穴の中の冷気とあいまって、身震いがした。
そのゴールド・リーフ・シティー内では、南アフリカの先住民族で最大数を誇る「ズールー族」のダンスを見ること出来た。
ズールー族。
褐色の肌、毛皮で作られた腰巻。
そしてズールウォーリアー(戦士)達の体は自然の中で鍛えられた無駄のない筋肉の鎧に覆われている。美しい肌で笑顔の可愛い女性達はビーズで作られた首飾りや腕輪、足輪などを身に着け、子供の頃から着飾っている。
踊りは、とても激しいもので、大地と会話しているような、体ではなく魂が踊っているようにみえた。アフリカ独特の太鼓を鳴らし、手も足も楽器になり、ストロングボイスで歌も交えていく。神を崇めるため、魂を鎮めるため、さまざまな形で天に思いを届けようとした踊りの原点を見たようだった。
アパルトヘイト・ミュージアム
ゴールド・リーフ・シティーの側には、アパルトヘイトミュージアムがあった。
南アフリカで起こった悲しき事実、歴史と、それを乗り越えて新しく生まれ変わろうとしている南アフリカの今を知ることが出来るものになっている。
 そのミュージアムは入り口が2つに分かれている。白人とそれ以外の入り口。3人で見に行ったのだが、俺だけ2人とは違った入り口に通された。なぜかと聞いても、別の入り口を指差されるだけ。一緒に来た2人と、いったい何が違うとゆうのか?なぜ区別をされないといけないのか?同じ人間なのに。なぜ?なぜ?なぜ?
 後からわざと「差別」される事を肌で感じさせる為のアトラクションだったと分かったが、その時は本当に不快感を味わった。あんな些細な事でも、人は「差別」されたと感じるのに、実際に黒人とゆうだけで、差別をされてきた人々はどんなに辛かったろう。肌の色が違うだけで、迫害を受けてきた人たちはどんなに悔しかったろう。簡単に理解が出来たとはいえないが、少しは「差別」を受けた人の憤りを理解出来た気がした。
 館内は、アパルトヘイト撤廃を訴える市民と軍、警察の戦いの映像や写真が沢山あった。どの映像にも、黒人たちは一切武器をもたずに、歌い踊りながらアパルトヘイト反対の運動を起こしていた。何をされても一切抵抗しない。マンデラさんの教えによるものだ。
 1994年にアパルトヘイトが廃止され、約10年。実際当時を知っている訳ではないが、たった10年でここまで変わるものなのかと思うぐらい、町には黒人と白人が共存、共生している姿が見られる。共に働き、話し、笑顔で接している。国民一人一人が過去を繰り返さないように、努めて平和に暮らしているのでだろう。
すごい、としかいえない。 
町には多くの歴史を語るミュージアムがある。
伝えることで、
大きな変化につながっているのだろう