今週のお題
    「確認作業」(2003.5.15)


    今、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を読み返しています。
    話題になっている村上春樹による新しい翻訳版を手にする前に、
    元のほうを読んで比べてみよう思って。
    高校生の時に買った本は白水社のもので、
    本棚から取り出してみるとブルーの表紙は日に焼けて少し白っぽくなっていました。
    実は私の妹も高校生の時、全く同じ本を買っていたのですが、
    ブルーの表紙は今だ鮮やか。たった4年程の差なのに…(笑)。
    読み始めると当時の記憶が蘇ってきました。
    この本を貸してあげたSちゃんの事、サリンジャーにはまって彼の作品を読み漁った事。
    いかに素晴らしい本であるかということよりも、
    十代の頃と同じような気持ちになれるのかを確認している自分がいます。
    先日、たまたま「E.T」を見た時もそうでした。
    エンディングで思わず号泣。
    あの時のピュアな感情がまだ残っていたんだと、少し安心したりして。
    大人になる過程で失ったものがあるかもしれないという不安を誰しも持っているはず。
    あの時と同じ自分がまだいるのだろうかという…。
    それを気付かせてくれるのが、本、映画、音楽。
    DJとして聞いた音楽よりも、辞書を片手に聞いた洋楽の方が、
    私に与えてくれるインスピレーションは比べ物にならないくらい多い。
    十代の時って見て聞いて感じたもの全てが、そのまま吸収されていくんですよね。
    きっとその力は衰えてしまったと思うけど、
    好奇心に従っていつまでも色んなことを
    見て聞いて感じられる自分でいたいと思います。
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