今回の取材先は、国際NGOでもある、コンサベーション・インターナショナル。
団体説明のビデオを見せていただいたが、ナレーションの声に聞き覚えが。
インディー・ジョーンズでおなじみのハリソンフォード氏である。
自然保全団体のイメージには確かにぴったりだなんて思っていたら、ハリソンフォード氏がこの団体の
理事を務めているそうだ。はじめからドキドキしてしまった。
 コンサベーション・インターナショナルの活動は、地球の生命を支えている生態系が危機にさらされている今、
生物多様性保全活動を行っている。
話の中で、ホットスポットなる場所が出てきた。
ホットスポットとは、生物多様性の価値が極めて高いにもかかわらず、破壊の危機に直面している地域で、
現在世界34ヶ所が指定されている。
分かりやす例だと、フィリピン。
1900年には、国の70%が緑に覆われていたが、1987年には23.7%にまで減少してしまった。
実は、2005年の2月には、日本列島もホットスポットに指定されている。
東京で暮らしていると、なかなか変化に気づきにくいのかもしてないが、
子供の頃に比べると、森林だった場所が住宅に変わっていたり、
泥だらけになって遊んでいた公園が駐車場になっていたり、学校の校庭がコンクリートになっていたり、
自然と接する機会は確かに減っている。
 日本のトキは絶滅し、コウノトリやニホンカモシカ、タンチョウヅルなども絶滅の危機である。
緑豊かな大地の日本列島が、生活が豊かになるために人工の島に変化してしまっている。
日本だけではなく、世界各国で環境問題の取り組みが行われている。
僕らの世代では取り戻せないが、未来に繋がる道は作っていかなければならない。
 小さな子供達が泥だらけになれる日が来ることを願って。

 P.S  今回取材にご協力いただきました、田多浩美さん。貴重なお時間をありがとうございました。
2005年12月にインドネシア(西ニューギニア)でCIなどの調査チームがみつけ、世界的に話題になった新種のミツスイ(c) Bruce Beehler/CI 発見地となったフォジャ山脈の森の中 (c) Stephen Richards
2005年11月に、共立女子大学学生と生物多様性をテーマにしたワークショップを開催しました。学生さん1人1人が、公共広告ポスター案を作成すると共に、「わたしたちに今できること」を発表しました。 ホットスポット写真展。2005年に日本列島がホットスポットになったことを契機に、日本の人々にホットスポットについて知っていただきたく、各地で写真展を開催しています。
北スマトラの森林保護区。CIはオランウータンなど野性生物の保護や森林保全、住民の生計向上などの事業を実施しています。 ジャワ島グヌングデ国立公園のキャノピーウォーク。エコツーリズムにより地元の収入になると共に環境教育にも役立てられています。