38年ぶりの万博。「自然の叡智」をテーマにした、愛・地球博。
リニア・モーターカー、「サツキとメイの家」や冷凍マンモスなどなど様々な見所がある。もうすでに足を運んだでしょうか?
その中の「地球市民村」では、毎月5ユニット、そして9月までに環境や国際協力などの持続可能な社会に取り組む30のユニットが
プログラムを提供している。いわゆるNGO/NPOである。ご存知だろうか?
その中の一つの団体、JOICFP(ジョイセフ)が今回の取材先である。
万博での出展テーマは「母を救え」である。
発展途上国のお母さんたちの妊娠、出産に関わる健康問題について考える内容になっている。
そこに置かれている、一つの箱を見せてもらって驚いた。タバコの箱を少し大きくしたぐらいの箱である。
それは家庭用出産セット。
ビニールシート、石鹸、へその緒を縛る麻紐、切り離すための台(十円玉ぐらいの大きさ)、刀、そして絵で分かる説明書。
こんな簡単なもので出産が可能なのか?むしろ出産してしまうのか?色々な疑問があふれた。
しかし、世界では一年間に58万人もの女性が妊娠と出産で命を落としているそうだ
。これは、1分間に一人の女性が死亡していることになり、その99%は開発途上国で起きているという。
貧困による栄養不足、不衛生な環境、診療所の数の不足、産婆さんの知識、技術の不足など、沢山の問題がある。
小さな子供たちの問題に目を向けることは多いのだが、母親には目が向けられないにくい。確かにそうかもしれない。
さらにJOICFP(ジョイセフ)では、リサイクルされた放置自転車を送っている。「命の足」と呼ばれている。
自転車に乗ることによって、助産婦さんが1分でも2分でも早く妊婦さんのところに駆けつけることが出来るのだ。
 今回お話を伺った、小野美智代さん、甲斐和歌子さんも自分たちに関係のないことだと思わないで欲しいと語っていた。
話を聞くまで、現実をまったく知り得なかった。
生命を授かり、この世に命を送り出す神秘の力を持った母なる性。僕も命をもらった。
考えるべき問題であり、守るべき存在で在ることを強く感じた。
お話を聞かせて下さった、小野美智代さんと甲斐和歌子さん